気温の上昇がタヒボの生態に変化を与える恐れ

 地球温暖化による気候変動は高緯度で大きく赤道周辺の熱帯地方で小さいため、地球温暖化がタヒボ自生地のアマゾン地域の自然環境に大きな影響を与えることはないというのが定説でした。例えば、地球上の気温が2℃上昇する時、北極の気温は7℃上昇するのに対して赤道付近は0.5〜1℃の上昇にとどまるといわれてます。
 しかし実際には大きな影響がすでに現れており、アマゾンは乾燥が進み深刻な干ばつが状況にあるため、森林火災が頻繁におこるようになり、貴重な資源である「タヒボ」が失われることも考えられます。2005年の干ばつでは川の水位が最大で12メートルも下がった場所もあるという報告があります。
 調査機関は温暖化のスピードは想像以上に速く、「ブラジルが受ける打撃が世各国のそれよりもはるかに深刻である」という警告を出しました。 警告の中で、温暖化は想像を超える速さで進行しており、熱帯雨林に生息する生物の生態に変化を生じ、農業に影響が出たり、海流の変化によって漁業にも大きな影響が出るという経済的な多大な損害を指摘しています。
 そして調査機関は、今世紀末までに世界各国の平均が3度の上昇すると予想される中、アマゾン地域の温度上昇は8度にも達するとしており、その場合森林の30パーセントが消失しセラード化し、タヒボを育む熱帯雨林に生きる生物の多くが絶滅し、自然環境が破壊されると考えます。
 アマゾンの熱帯雨林が破壊されると多くの生物種が絶滅すると同時に多くの二酸化炭素が大気中に吐き出されることになり、世界の温暖化を加速してしまうことが心配です。

温室効果

 二酸化炭素、メタン亜酸化窒素、フロンガス類など大気中の微量気体は地球に入射する太陽エネルギーの短波長成分を透過し地球から反射する長波成分を吸収する性質があります。
この作用のため地球上の平均気温は33℃上昇し、15℃となり人類の生活に適した温度に保たれます。
これらの気体がない場合、地球の平均気温はマイナス18℃ぐらいになり、とても寒く人間が生存するために良い環境だとは言えません。
化石燃料使用の増加、森林伐採の増加、農業など人間活動の活発化、フロンガス類の使用による大気中における温室効果ガスの増加が観測されています。
特に温室効果ガスの中でも大きなカギを握る二酸化炭素量の激増は深刻な課題です。現在、この増加をいかに止めるかが世界的に議論されますが、各国の利害が絡み具体的な行動に移されず前進が見られない状況です。
このままの状況が続くと温室効果が増大し、タヒボのみでなく全地球的な気温の上昇とそれに伴う海面上昇、環境的、社会経済的影響が心配されます。


原料を取り巻く環境について